[メイン] GM : あなた達は何かしらの接点を持つ、共通の友人同士である。
そして今日は休日、何気ない日常を過ごしていることだろう。

[メイン] GM : そうしてあなた達は、地元にある商店街へと足を踏み入れた
そこではどうやらクジ引きキャンペーンを実施しており
商店街内で特定料金以上買い物をすると、クジ引き券が貰えるとのことだ。

[メイン] GM : 一等はどうやら、3泊4日の、豪華客船の旅のようだ。
あなた達はそれに惹かれてしまうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
そんな日常を過ごしていた─────。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「ねぇねぇ!クジ引きだって!楽しそう!やってみようよ!!」
愛、オリハ、美月の先頭を走る、ひと際背の小さな少女。

[メイン] オリハ : 「クジ引き…何が当たるの?」

[メイン] 高鴨穏乃 : 名前は高鴨穏乃。頭であれこれ考えるよりも、まずは体を動かす!
という考えがモットーの、体育会系の少女だ。

[メイン] 宮下 愛 : 「くじ引き……?え、ウッソ!面白そうだね!んでも……券、シズ持ってるの~?」

[メイン] 高鴨穏乃 : ポニーテールがゆらゆらと動いており
まるで尻尾のように見え、上機嫌であることが察せることだろう。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「ん~~~~……あ!見て見て!一等が当たったら豪華客船の旅だって!」
オリハにも見えるように、パンフレットを広げて見せる。

[メイン] 高鴨穏乃 : ぐいっ、と距離を縮めながら。

[メイン] 宮下 愛 : 鼻息交じりに道を歩く女子高校生。宮下愛。
その様子はとても楽しげなように。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「券? 持ってない!」

[メイン] 高鴨穏乃 : 愛に、無邪気にニカッと笑う。

[メイン] オリハ : 「船旅…ね、ちょっと面白そう」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「これどうやったらできるんだろうね!?やりたいやりたい!」

[メイン] 宮下 愛 : 「マジかー……ここは……美月会長とか、持ってたりしない!?」

[メイン] 高鴨穏乃 : テンション上々といった様子の穏乃。
体力が有り余っているようだ。

[メイン] 園田美月 : 「ええ 買い物をしないとくじは引けないのよ」
ふわっとした髪を靡かせながら、辺りを見渡す。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「いいよね船旅!オリハさんもそう思いますよね!」

[メイン] 宮下 愛 : がバッ、後ろを突然振り向く。
そうして美月の方へと。

[メイン] オリハ : 「う、うんそうね…でも簡単に当たるのかしら?」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「む……それは……」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「……気合!ですよ!」
オリハに、ピースサイン。

[メイン] オリハ : 「ダメで元々だし、それにまずは、券を手に入れなくちゃいけないわ」

[メイン] 高鴨穏乃 : うんうんと頷きながら。

[メイン] 宮下 愛 : ちょっと後ろからぐいっと、パンフレットをのぞき込み。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「買い物かぁ~~~、せっかくですし……何か流行りの物とか!」

[メイン] 園田美月 : 「うふふ 相変わらず高鴨さんは元気いっぱいね
 あら 宮下さんも豪華客船の旅 興味あるのかしら?」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「先輩方は何か知ってませんか!?そういうの!」

[メイン] 高鴨穏乃 : 愛と美月の方を、ふんすっ!と鼻息を出しながら。

[メイン] 宮下 愛 : 「ん~~~ならアレにしよう!」
とある店を指さす。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「へへへ!元気が私の取り柄ですから!」
美月に無邪気な笑顔を見せながら。

[メイン] 宮下 愛 : 昔ながらの漬物屋。

[メイン] オリハ : 「アレ?」
愛の方を向き

[メイン] 園田美月 : 「えっ は 流行りの物?
 んーっと……私はそういうの疎くって……」
頭の中で白い花をぐるぐると回しながら考える。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「アレですとな!」

[メイン] 園田美月 : 「あら 漬物屋さん?
 ふふふ 宮下さんはぬか漬けが好きだったわよね」

[メイン] オリハ : 「つ…漬物…?流行り…?」
単語がつながらない

[メイン] 宮下 愛 : 「ん~、船旅ってより……チケット回しで、ギャンブルが楽しめるのがいいかな~」
美月へとそう返しつつ。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「えーーーーー!!もっと美味しいのが食べたいーーー!?」

[メイン] 宮下 愛 : 美月にグッジョブ。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「ほら!えっと……タピオカとか!そういうの昔、流行ってましたよね!」

[メイン] 園田美月 : 「ギャ……ギャンブル!?
 駄目よ! ギャンブルは危険がいっぱいなのよ…………
 まあ でもくじ引きだから いいのかしら?」

[メイン] 高鴨穏乃 : 今も流行ってるんでしたっけ?
とオリハの方を向きながら。

[メイン] オリハ : 「昔そことかタピオカ屋だったのだけれど…」

[メイン] 宮下 愛 : 「えーー、シズ漬物嫌い?」
ぐいっと肩を叩きつつ。

[メイン] 園田美月 : 金が湯水のように溶けていくという意味で
くじ引きもくじ引きで嵌まると厳しいが、そこまで深くは考えない美月。

[メイン] オリハ : 「違う店に…なっちゃってるわね…」
少し先を指して

[メイン] 高鴨穏乃 : 「え、タピオカ店が潰れて……漬物屋さんに……!?」
ガーン。とショック。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「うぐっ……べ、別に~?好き嫌いとか、ないですし~?」

[メイン] オリハ : 「環境の変化は恐ろしいわね…」

[メイン] 高鴨穏乃 : 愛から視線を逸らしながら。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「そ、そんなことより!えっとじゃあ……!靴!動きやすい靴!探しましょうよ!」

[メイン] 宮下 愛 : 「当たってれば儲けもの!当たらなかったら……残念!そういう運試しが楽しめるからね~」
なんて、愛特有のギャンブル観を言いつつ。

[メイン] 園田美月 : 「昔ながらの漬物屋さんなのに最近建ったの!?
 雰囲気に騙されたわ…………」

[メイン] 宮下 愛 : 「靴とな?あ~……シズは山登り、好きなんだっけ」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「あれじゃないですかね?昔ながらのチャルメラ……みたいな?」
美月の方を見ながら。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「もん!!山登り大好き!!」
ニカッ、と愛へピースサイン。

[メイン] オリハ : 「元気があっていいことね」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「だから最近……ほら!靴がすり減っちゃってまして……」
そう言い、足を上げ、靴の裏を見せる。

[メイン] 園田美月 : 「…………! そういうこと?」
穏乃の言う事に納得しながら、愛の方へと目をやって
「そうね」と言うように頷くと。

[メイン] 園田美月 : 「えっ う うーん 運試し…………
 そういえば私 今年のおみくじ引いてないかも……」

[メイン] オリハ : 覗き込んですり減り具合を確かめる

[メイン] 高鴨穏乃 : シズの衣服の構造上……下半身が3人へ少しばかり見えて……。

[メイン] 園田美月 : 「もう3月だけど せっかくだしここで運を試すのもいいかもしれないわね
 …………って」

[メイン] 園田美月 : 「きゃああああああああああ!!!!」

[メイン] 宮下 愛 : 「はいはい、じゃ~そうね!新しい山登り靴、見てみるのも良さげか…… むえ」

[メイン] 園田美月 : 「高鴨さん! 高鴨さん! そのまま戻して戻して~!」

[メイン] オリハ : 「えっ何!?…ああ」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「おわぁ!?び、びっくりしたぁ!?」
美月の叫びに仰天し、そのまま尻餅をついてしまう。

[メイン] オリハ : 「ちょっとはしたないわよ?」

[メイン] 宮下 愛 : ぴたっと停止、その顔が赤くなって。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「あいたた……え、え~?ダメですか~……?」

[メイン] 園田美月 : 「きゃぁあ~~~! ダメダメダメ~!」
穏乃の前に立ち、周りに見えないようにして

[メイン] 高鴨穏乃 : 頭を少し掻きながらも、3人から責められているように感じ
申し訳なさそうな顔をしながら。

[メイン] オリハ : 「ちょ、ちょっと騒がしくしたら注目浴びちゃう…」

[メイン] 園田美月 : 「だ 大丈夫? ごめんなさい……急に大声出しちゃって……
 あっ その えっと……靴はダメじゃないわよ?」

[メイン] 宮下 愛 : 「あ、ちょっちょっ……愛さんはそういうの、気を付けた方がいいと思うよ~?」
硬直から溶け。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「むぅ~……よく分かんないですけど、とりあえず気を付けます!」

[メイン] 高鴨穏乃 : シュバッ、と敬礼。

[メイン] 園田美月 : 「オ オリハさん! そ そうね……」
汗を垂らしながら、穏乃に手を差し伸べる。

[メイン] オリハ : 「え~と、じゃあ皆、靴を買いに行く、でいい?」

[メイン] 高鴨穏乃 : 美月の手を取り、「ありがとうございます!」と笑い
元気よく立ち上がる。

[メイン] 宮下 愛 : 「ほら……シズは可愛いっけがあるから、ヘンな人に目を付けられるよ?」
ぽん、頭を撫でながら。

[メイン] 高鴨穏乃 : オリハに「もん!」と強く頷く、嬉しそうに。

[メイン] 園田美月 : 「そうね……お詫びとしては何だけれど
 私が出しちゃおうかしら?」

[メイン] 宮下 愛 : OKのサインを指で作ってみせる。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「か、可愛い……!?そ、そんなことないですよ~……!ていうか……その……」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「愛さんとか、オリハさんとか、美月さんの方が、ずっと可愛いですし……」

[メイン] 高鴨穏乃 : 自分よりも女の子らしい、みたいな?

[メイン] 園田美月 : 「もし宮下さんも、オリハさんも欲しいものがあったら
 ちょっとだけお財布に融通を利かせてあげられるわよ! ……って
 え? か 可愛い……可愛い!? あっ えっ その…………」

[メイン] オリハ : 「あら、別にそんなこともないと思うけど?」
きょとんと

[メイン] オリハ : 「あなたも十分可愛らしいわよ?」

[メイン] 園田美月 : 「そんな事言ったら 高鴨さん達の方が か 可愛いわ よ?」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「うぇっ……!!?」
ぼんっ、と顔が真っ赤になる。

[メイン] 宮下 愛 : 「むっ、ううっ……いやーまあ、比較することじゃないと思うよ?十分、可愛いからね」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「う、うぅ、うぅぅぅ~~~~~……!!」
頭を抑えつけ。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「と、とにかく!!靴!!買いに行きましょう~~~!!」

[メイン] 高鴨穏乃 : 恥ずかしそうに、とたとたと走っていく。

[メイン] 園田美月 : あっ───高鴨さんの表情にちょっとだけ目を奪われると
すぐにその声と駆け足でハッとして。

[メイン] 宮下 愛 : 可愛い……。
……カワイイ………。
そ、そーかなー……あはは、愛さんも言われたことないからな~……

[メイン] オリハ : どうかしたのかしら…と首を傾げながら。

[メイン] 宮下 愛 : 頬を掻きつつ。

[メイン] 園田美月 : 「た 高鴨さんったら…………」
少し頬を染めながら笑みを浮かべると、宮下さんとオリハさんの方を見て。

[メイン] 園田美月 : 「二人も行きましょうか
 ふふふ 可愛い三人に似合う靴はあるのかしらね」
ちょっとだけ自分を蚊帳の外にして自分にも可愛いと言われた事をちょっと薄れさせようとしつつ

[メイン] 宮下 愛 : 「……ちょっ!?あ~……一人で突っ走って~……」
その声に、全くもー、という顔。

[メイン] オリハ : 「そうね、先走って行っちゃうと危ないわ」
美月の言葉に同意して

[メイン] 園田美月 : 「……ええ 本当に危ないわ」
先ほど自分が見てしまった光景を脳裏に過ぎらせつつ

[メイン] 宮下 愛 : 「……じゃ…可愛い四人組、ってコトでどーお?そんな靴に会えるかどうかね~」

[メイン] 園田美月 : 「え ええ え~~!
 四人組って その…… うぐぐぐぐ~~~~!」

[メイン] 園田美月 : すると恥ずかしさに耐えきれなくなったのか

[メイン] 園田美月 : そのまま美月もすたすたと駆け足で向かおうとするが
美月の方が、穏乃の何倍もなんだか危なっかしい駆け足は言うまでもなかった。

[メイン] 宮下 愛 : にや、ちょっと笑ってそんな事を……。
……いやいや、あれは……

[メイン] オリハ : 「全く…これじゃ2人組と2人組ね」

[メイン] オリハ : 「置いていかれないようについていきましょうか、愛さん」

[メイン] 宮下 愛 : 「危なっかしいの二人じゃん!」
「あ、そーだね、オリハも欲しいのあったら言ってね!二人、捕まえてくるから!」

[メイン] オリハ : 「うん、ありがとう」
にっこりとほほ笑んで。

[メイン] 宮下 愛 : 合わせる、にっこり、スマイル笑顔!

[メイン] オリハ : そのまま買い物のことを頭に思いめぐらせながら。

[メイン] オリハ : 前の2人を見失わないように、早歩きでついていった。

[メイン] オリハ :  

[メイン] オリハ :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM : そうして各々買い物を終え、クジ引きチャレンジ!!

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM : 「おめでとうございます!!」

[メイン] GM : からんからんからん、と鈴の音が、商店街に鳴り響き。

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] 高鴨穏乃 : そして今に至る!

[メイン] 高鴨穏乃 : ぶお~~!っていう、おっきい船が駆動する音!!
そして、ざあ~~~!!っていう、波の音!!

[メイン] 高鴨穏乃 : 音だけじゃない!匂いも!!
潮風がほんのりと鼻腔を突っついて……
そして!

[メイン] 高鴨穏乃 : 『豪華客船』っぽい匂い!!
表現が分かんないけど!!っぽい匂い!!!

[メイン] 高鴨穏乃 : 「うおおおお~~~~~!!!海だ~~~~~~~~!!!」

[メイン] 高鴨穏乃 : 両手を広げながら、甲板で潮風に当たる穏乃。
ゆらゆらとポニーテールが揺れる。

[メイン] 宮下 愛 : 「いやー……まさか当たるなんて……流石の愛さんもビックリだよ…」
風に吹かれ、髪や腰に巻いた服も揺れつつ。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「本当にそうですよね!これってもしや……愛さんの運の良さが起因したり……!?」

[メイン] オリハ : 風になびかれ、潮の匂いを感じながら佇み。

[メイン] 宮下 愛 : 「愛さん?でもね、あの時は雲が沢山集まってたからね、運がよかった!」

[メイン] オリハ : 「そうね…まさか、ここまで来れるなんて…」

[メイン] 宮下 愛 : 「”うん”だけにっ!」

[メイン] 宮下 愛 : どやっ。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「む……?雲? ………む?うん?”うん”??」

[メイン] 高鴨穏乃 : ←分かってない顔。

[メイン] オリハ : 「え…ええ?」
苦笑い。

[メイン] 園田美月 : 「潮風がこんなに気持ちいいなんてね───
 ええ? ……雲? 雲と"うん"で何か関係があるのかしら?」
素できょとんとして
 

[メイン] 宮下 愛 : 「………っ」

[メイン] 宮下 愛 : わ、わかってくれてない……!!これは……一番キツイ!!!

[メイン] 園田美月 : 「そ その! 宮下さん教えてくれるかしら?」

[メイン] 園田美月 : 解説を容赦なくねだる美月会長。
本人にその容赦の無さの自覚はない。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「……????? えっと愛さん!私も分からないので!」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「是非!ご教示を!!」
ずいっ、と愛へ接近。

[メイン] オリハ : 「ふ…二人とも?」
おろおろ。

[メイン] 宮下 愛 : 顔を赤くして、ぷるぷると唇が震える。
先ほどまでの元気さが、一気に吹き飛んだ。

[メイン] 高鴨穏乃 : あれ……!?愛さん、顔が……!?

[メイン] 宮下 愛 : 「う、ああっ……そ、その……雲は……うん、と呼ぶし……運と、うんで……」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「も、もしや……!?」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「熱ですか!?大変だ!!オリハさん!!氷!氷を!!」

[メイン] 宮下 愛 : 「そういう、ダジャレ…なの……」

[メイン] 園田美月 : 「あ あら! 宮下さん どうしたの?
 ふ 船酔いかしら? でも船酔いは起こらないって聞いたから
 気圧の変化……?」
そう真面目に考えていると

[メイン] オリハ : 「こ…氷!?」

[メイン] 園田美月 : 「───ダジャレ?」

[メイン] オリハ : 「え…えーと下の方にあるかしら…」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「愛さん!風邪引いちゃってるか……も……?ほへ?」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「ダジャレ、ダジャレ……」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「雲……くも……雲は……くも……」

[メイン] オリハ : 「え…えーと…」

[メイン] 宮下 愛 : 「ふ、船酔いじゃないから……!大丈夫!!」
必死に取り繕うと、ぶんぶん顔の前で手を振る。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「─────あ!!」

[メイン] 宮下 愛 : 「氷もいらないよ!?熱もないから!」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「"うん"!!!そういうことなんですね!?!?わ、す、すごい!!!」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「愛さん!!すごいです!!!!」

[メイン] オリハ : 「うん…運と雲をかけたのよね?」

[メイン] 高鴨穏乃 : ふんすっ!と鼻息を。

[メイン] 宮下 愛 : 「っ~………は、はい……そうです………」
オリハ、シズへと同意。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「おお~~~~~~!!」
パチパチと拍手。

[メイン] 園田美月 : 「雲…雲……風雲(ふううん)
 …………! そういう事だったのね!
 今までダジャレって布団が吹っ飛んだとかそういうのだと思ってたわ」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「っぱ、愛さんってすごい……!!こんな面白いこと、考えることができるだなんて……!!」

[メイン] 高鴨穏乃 : ガチの尊敬の眼差しを送る。
皮肉とかそういうものではなく、ガチの。

[メイン] 宮下 愛 : 自分で言ったダジャレを解説して、それを褒められる……
これ以上の責め苦があるだろうか、いやない。

[メイン] 園田美月 : 「ふふふ…………」
雲と聞いて、ふと空を見る。

[メイン] オリハ : 「あ…はは…」
苦笑いを続けつつ。

[メイン] オリハ : ふと、風の匂いが変わったような気がした。

[メイン] 宮下 愛 : 「ま、まあ…こういうのもある……うわあああ~~!!!!その目付きはダメだよシズ!!!」
いたたまれなくて、目線を逸らす。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「…………?」
すんすん、と何かを嗅ぐ。

[メイン] 宮下 愛 : 目線を逸らした先には、海。

[メイン] 園田美月 : その時、ふと風が止んだ。

[メイン] 園田美月 : 「あ あら?
 気持ちよかったのに 風が止んじゃったわね?」

[メイン] オリハ : はっ、として空を見上げる。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「この感じ………」

[メイン] 宮下 愛 : 「……?なんか、海が……静かなくらい…大人しい…?」

[メイン] 高鴨穏乃 : 野生児の、直感のようなもの、本能が働く。

[メイン] 宮下 愛 : まるで、”嵐の前の静けさ”のような……。
とか、縁起でもないか。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「─────"嵐"だ……!?」

[メイン] 宮下 愛 : 「……?どしたのシズ────なっ!?」

[メイン] 高鴨穏乃 : 緊張感漂う表情へ一変。
嵐であれば……どこかへ避難すれば良いのだが……。

[メイン] オリハ : 「…中に戻ったほうがいいかも」

[メイン] 園田美月 : 「あ 嵐!?」
高鴨さんの大自然で養われた嗅覚や身体能力は信頼している。
だからこそ、その嵐の一文字を素直に受け取り。

[メイン] 高鴨穏乃 : キョロキョロと、思わず辺りを見渡してしまう。
そして目に映るのは─────どこかしこも、地平線まで続く、『海』。

[メイン] 高鴨穏乃 : 愛と美月に、こくりと頷き。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「そうですね……オリハさんの言う通り……まずは中に入った方がいいかも、ですね……」

[メイン] 宮下 愛 : 「ちょっ、それ……船長とか聞いてるよね…!?」
先ほどの不穏さ、そしてシズの直感は外れたことがない、つまり……。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「……見てください、波がちょっと……荒ぶり始めてます」
視線を、海の方へ。

[メイン] 宮下 愛 : 「……うん、そうだね、楽しんでるどころじゃ…ないかも」
オリハに頷き。

[メイン] オリハ : ぽつり、と頬に水がかかる。

[メイン] 園田美月 : 「え、ええ! わかったわ、もう乗員の方も気づいているとは思うから
 何とか回避できるといいけれど……」
海の方に目をやると、オリハに続いて頬にかかったその水に気づく。

[メイン] 高鴨穏乃 : 安全な場所へ逃げるのがいい、それが最善なのは分かっている。
でも─────。

[メイン] 園田美月 : 「雨?」
と、呟いた瞬間。

[メイン] 高鴨穏乃 :
・・     ・・
どこへ行けば、安全なんだろう?

[メイン] 宮下 愛 : 「……ここは、船上…だね」
シズのその不穏な顔を見て、ぽつりと。

[メイン] 園田美月 : その時、ぽつりとした雨が
次の瞬間には、上から殴るような土砂降りへと変わっていた。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「……はい……船の上で……海の上でも、あります……」

[メイン] オリハ : 「…早く、中へ!!」

[メイン] 高鴨穏乃 : 服に、肌に水が濡らされていき。

[メイン] 高鴨穏乃 : そしてその勢いは─────たった数秒で、より激しく。

[メイン] 高鴨穏乃 : 空の色がどんよりとした、真っ黒な色に染まっていき─────。

[メイン] 園田美月 : 「きゃあっ!? うっ
 オリハさん! え、ええ、そうね……!
 高鴨さんも宮下さんも早く中へ───…………」

[メイン] 園田美月 : もはやその声すらも、雨で掻き消されそうになるほどに。

[メイン] GM : 『御客様!御客様!ただいま……予期せぬ台風と遭遇致しました!!』

[メイン] オリハ : 3人の姿がどんどんとぼやけていく。

[メイン] 宮下 愛 : 「……あ、うん……!!」
言う間、頷くが……豪雨によって、前が見えなくなるほど。

[メイン] GM : 『ただちに船内へ避難ください!!繰り返します!!ただちに船内へひな─────』

[メイン] GM : 『ザ……ザザザ……』

[メイン] 園田美月 : !!? 園田美月はてっきり乗員の方ならもうすでに気づいていると
少し過信していた。だからこそこの嵐を回避できると思っていた。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「っ……!?な、なんだ、これ……!?雨が、すっごい痛い……!?」

[メイン] 園田美月 : そのアナウンスは一瞬で一抹の不安を確実な絶望へと広げていくには容易かった。

[メイン] 宮下 愛 : こんな事ってある……!?
うっそ、みんなの顔も見えずらくなってきた……!やば…!

[メイン] オリハ : とにかく誰かの手を取って避難しようとするが。

[メイン] 高鴨穏乃 : 咄嗟に、愛、オリハ、美月を抱き締める。
山登りを趣味にしていたこともあり、筋力、体力、共に平均よりも高く。

[メイン] 高鴨穏乃 : 次第に吹き荒れる雨風に、この場にいる全員が─────

[メイン] 高鴨穏乃 : ─────立てなくなるほど……。

[メイン] GM : 船が、大きく揺れる。

[メイン] 園田美月 : 高鴨さん!
けれど これ以上は動けな…………!!?

[メイン] GM : そして……ゴォンッ、と強大な轟音が。

[メイン] 園田美月 : 「きゃああっ!?」

[メイン] オリハ : 「きゃっ!?」
思わず悲鳴が上がる。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「っ……!?!?な、なんだ……!?今の……!?」

[メイン] 高鴨穏乃 : やばい……!!マジで、視界が何も、視えない……!!

[メイン] 宮下 愛 : 視界も耳も、雨による影響によって見えないが。
みんなの温もりは……っ!

[メイン] 園田美月 : まさか───

[メイン] 園田美月 :
岩盤に

[メイン] 高鴨穏乃 : う、うおぉぉおおお……!!!絶対に!!この手を!!
離すもんかぁあああっ………!!!!!

[メイン] 高鴨穏乃 : 「愛さん!!!オリハさん!!!美月さん!!!!」

[メイン] 園田美月 : 「!!!」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「しっかり!!!捕まってください!!!!」

[メイン] オリハ : ガァンッ!という音が聞こえ。

[メイン] 宮下 愛 : 「……ひっ…!……う、うん……!!」

[メイン] 園田美月 : 「───ええ……!!!」
と、頷いた次の瞬間。

[メイン] 園田美月 : 突如として

[メイン] 高鴨穏乃 : 叩きつけられる雨の音に負けないくらい
パニックになる、他乗客員の悲鳴に負けないくらい
大声で。

[メイン] オリハ : 「…うんっ!」

[メイン] 園田美月 : 全てが無重力になったかのような感覚に陥る。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「─────うわぁああぁっ……!?!」

[メイン] 宮下 愛 : 嵐の中で響く轟音、けれど確かに聞こえたそのこ──え──

[メイン] 宮下 愛 : ────……!!

[メイン] 高鴨穏乃 : 全員、投げ出される。
そこにあったはずの床が大きく傾き……。

[メイン] 園田美月 : 何、これ
不思議と、こういう時……人は冷静になってしまう
もう決して抗えないが状況を客観的に、観れてしまうのだ

[メイン] 園田美月 : 床が傾いて。

[メイン] 高鴨穏乃 : 船外へと─────。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「なっ─────!?!」

[メイン] オリハ : 震える手でポケットから何かを取り出して────

[メイン] 宮下 愛 : ふわり、と。
感覚が冷たくなっても、それだけは…わかる。

[メイン] オリハ : そのまま、投げ出されていく。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「うわあぁぁああぁぁああぁぁぁッッ……!!!??!?」

[メイン] 園田美月 : 美月は、悲鳴を上げる間もなく
そのまま高鴨さんからは離れる事はなかったが

[メイン] 園田美月 : 投げ出され───

[メイン] 宮下 愛 : 「なっ、あッ……ひゃああああっ…!!!」

[メイン] 園田美月 : 何もかもを呑み込もうと
果てしない大口を開く冷たい海の中へと

[メイン] オリハ : 眼前に広がる無限の大きさの海を見据えて。

[メイン] 宮下 愛 : しがみつくように、他から離れないように。

[メイン] 高鴨穏乃 : いくら筋力があったって、いくら体力があったって
穏乃は、女の子、小柄な女の子。
自然という大きな運命の前には、抗うことなどこれ一つもできず。

[メイン] 宮下 愛 : けれど、海は果てしなく。

[メイン] 高鴨穏乃 : ちく……しょう………!!

[メイン] 高鴨穏乃 : 無念を、心の中で吐き捨てる。
恐怖もある、でもそれ以上に、悔し涙を溢しながら。

[メイン] 高鴨穏乃 : そして大きな海へと─────沈んでいく……。

[メイン] 園田美月 : ───優……春香さ……
三人との思い出が脳裏を過ぎるとその次に過ぎるは
妹と、かつての想い人───

[メイン] 宮下 愛 : っ…こんな、まさか……やだ……!!こんな所で……愛さん……は……!やだ……!

[メイン] 園田美月 : これは

───『走馬燈』?

[メイン] オリハ : その塩辛さを感じてもなお。まだ会えぬ家族の顔を思い出してもなお。

[メイン] 宮下 愛 : そんな、子どもみたいな拒絶を見せて。
それすらも飲み込む、暗く深い海。

[メイン] オリハ : オリハは祈る。

[メイン] オリハ : 天にまします我らの主よ────

[メイン] オリハ : どうか、我らを

[メイン] オリハ : 救いたまえ

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM : 結果から告げよう。

[メイン] GM : あなた達は─────『救われた』。

[メイン] GM : 海の藻屑へと沈んで行ったあなた達だが……気がつけば
そこは「島」だった。

[メイン] GM : 穏やかな気候、暖かな日差しが辺りを包む
自然豊かな島。

[メイン] GM : 尤も─────これが本当に『救い』なのかどうかは……。

[メイン] GM : あなた達次第だろう。

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] 園田美月 : 全身を満遍なく包み込んだ冷たさが
いつのまにか撫でるような温かさへと変わっていた。

[メイン] 園田美月 : 目を開けば───そこは
ぼやけた景色。

[メイン] 高鴨穏乃 : そして美月の視界には……砂浜に投げ出され、ぐったりとしていた
穏乃の姿が。

[メイン] 園田美月 : …………何かしら、これ。

[メイン] 園田美月 : ぼやけた視界のまま、近づいて
手探りでその何かを、ぽんぽんと。

[メイン] 宮下 愛 : ………?口の中が……しょっぱい……
それに……なんだか……ぼやっとする……

[メイン] オリハ : その陽気は冷たく濡れた身体を優しく苛んで。

[メイン] GM : 辺りを見渡すと、あなた達しかいないことが分かるだろう。
他乗客員の姿はどこにもなく……あるのは、クルーズにあった備品や
あなた達が持ち込んでいたであろう宿泊用の荷物などだ。

[メイン] GM : そして、あのクルーズであっただろう……船の残骸の一部も
砂浜に打ち上げられているのが分かるだろう。

[メイン] オリハ : なんとか目を開こうとするものの、身体が思うように動かない。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「んっ………」

[メイン] 高鴨穏乃 : ぴちゃ、という水音を立てながら、小柄な少女が、目を醒まし
ゆっくりとその体を持ち上げる。

[メイン] 宮下 愛 : 「う、ぅぅん……」
体が重い、気持ちもなんだかよくない、いい事と言えば……何だか、暖かいくらいで……

[メイン] 高鴨穏乃 : 「……あ、れ……?……ここ、は……?」
辺りを見渡しながら。

[メイン] 宮下 愛 : ずざあ、と砂が体から持ち上がり。

[メイン] 宮下 愛 : ゆっくり、目を周囲に…… ……?

[メイン] 園田美月 : 穏乃の目に映るのは
それは───美月だった

眼鏡は無いが、涙を浮かべている

[メイン] 園田美月 : 「!? 高鴨さん……高鴨さんなのね!? その声……!」

[メイン] オリハ : …こ、ここは…

[メイン] 高鴨穏乃 : 「うわぁあっ……!?」
思わずビックリしながらも。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「み、美月さん!!……そ、それに……!」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「愛さん!オリハさんも!!!」

[メイン] オリハ : その声を聴いて、よろよろと身体を起こす。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「……あれ?……ていうか、美月さん……?……あ、メガネ!!メガネが無い!!」

[メイン] 宮下 愛 : 「……あれ、みんな……」
ぼおっとした意識で、見渡して。

[メイン] 宮下 愛 : 自慢のポニーテールも、髪に濡れてストレートに。

[メイン] 園田美月 : 「え!? み 宮下さんも……オリハさんもいるの!?
 うっ ううっ……! よ 良かったわ……!」
目をこするが、ぼやけた視界は回復せず
穏乃に指摘され、やっと───自分の一部とも言えるものが欠けているのに気づく。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「あ、えっと、えっと…… ……あ!これ!」
偶然落ちていた、美月のものと思わしきメガネを拾い。

[メイン] オリハ : 「わ、私たち…助かったの?」

[メイン] 宮下 愛 : 「んっ!?つーか、みんな無事なの!?」

[メイン] 園田美月 : 「あっ 眼鏡……!」
探そうとすると、穏乃に手渡され。

[メイン] 宮下 愛 : 「愛さんたち、海に投げ出された……みたいな、そんな記憶が……」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「はい!これをどうぞ!……割れちゃってるかも、ですけど」
そのメガネを渡し。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「……そう、みたい……ですかね……?」
オリハに頷き。

[メイン] オリハ : 「嵐が来て…そのまま海に落ちて…」

[メイン] 園田美月 : 「あっ! ありがとう───」
スチャ、と眼鏡をかけると
やっと見慣れた顔の美月になった。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「……助かったのは……私達だけ……なのでしょう、かね……?」
辺りを見渡しながら。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「……あ!携帯!愛さん!携帯は!?」

[メイン] 宮下 愛 : 「……んーかも…?あ、携帯……」
ぼそり、と呟くが、次に携帯をみて────

[メイン] 宮下 愛 : ────”圏外”。

[メイン] 園田美月 : 「…………」
生存者。四人だけ?
そう考えた途端に、撫でられて温かくなってきたはずの背筋が凍る。

[メイン] 宮下 愛 : 「ちょっ……これこれ…!」
思わずシズを手招き。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「むっ……!?……うぇっ……!?そ、そんな……!?故障、とかじゃなく……?」
愛の携帯を覗き込み。